研究室夏の学校

Post date: Aug 12, 2011 2:53:24 PM

私たちの研究室では毎年夏に,夏の学校と称する合宿を行っています。

今年は島根県青少年館で2泊3日の日程で行いました。

夏の学校では,4年生は卒業研究のこと,その他の院生やスタッフ

は「科学に関連したことならなんでもよい」ということで各自30分程度の話をします。

(詳細はそのうち研究室のWebぺージにアップされると思うのでお楽しみに)

私は「スイングとピッチングの科学~予告編」というテーマで話しました。

「予告編」なんです。本編は11月にサイエンスカフェで披露する予定。

それまで内容は秘密です。今回は準備不足もあってわかりにくかったと思うのですが

それでも話の後そこら中でシャドーピッチングが始まりました。

はやりネタは「いいね!」のようです。。

夏の学校では研究室のメンバーの話の他,毎年ゲストを招いて講演をして

いただいています。今年は。理学研究科の寺田先生をお招きして

太陽系の形成について語っていただきました。

さすが寺田先生。話の内容が面白いのはもちろん,

お話が非常にうまく,あっという間の1時間でした。

是非また聞きたいですね。

このような通常の催しに加えて,今年は島根原子力発電所の見学に行きました。

夏の学校の校長先生(今年はM1の上杉君)が中国電力の方と連絡を取り,見学

だけでなく,中国電力や広島県エネルギーフォーラムの方の講演も企画

してくれました。(パチパチ)

さて原子力発電所見学です。

まず原子力館へ。ここは一般向けの見学施設です。行くと直ぐにシアターで

原子力発電に関する映像をみせてもらいました。

まずスクリーンには「歓迎広島大学高エネルギー物理学研究室」の文字。

(写真をとるのは忘れてしまった)

内容は,原発の安全対策でした。

もちろん我々が事前に中電の方の講演を聴いていたことが前提でしょうが,

原発の概要もすっとばしていきなりこれにはちょっとびっくりでした。

その後,発電所敷地内の見学。。

今,原発は非常に警備が厳しく,入る際には身分証明書で確認。

写真撮影は禁止。残念ながら建物を外からみることしかできません。

島根原発は,稼働中の原子炉が2機(そのうち1基は現在定期点検のため休止中)

しており,現在3号機を建設中です。

現場では,防潮堤の補強工事の真っ最中でした。福島第一原発の事故を踏まえ

防潮堤を海抜15mまで高くするそうです。原発本体の建設中かと

見まがうほどの大工事です。

その他にも(正確ではありませんが)

非常用ポンプの補強(福島第一で水没したことを踏まえて)

外部からの電源供給経路の多重化。

全電源喪失にそなえた発電機の設置

など,平行して行っています。

見学のあとは,現場の方も交えて意見交換会でした。時間ぎりぎりまで

いろいろとうかがったのですが,素人質問にも丁寧に,率直に答えていただき

とても有意義でした。感謝しています。(内容を活字にするのは控えます)

ニュース等で,原子力発電所の安全確保に関する政府の指導を聞いてはいますが,

見ると聞くとはやはり違います。実際に見ると,非常に大きな規模で安全対策を講じていることを実感します。

この投資と努力を日本国民はどう評価するのでしょうか。

定期点検のための休止した原子力発電所を再稼働しないと,来年の5月には

国内のすべての原発が止まります。現在中国地方の電力供給は他地域に比べて

余裕がありますが,島根原発がすべてとまるとそうも行かないようです。

来年,私たちはどんな夏を迎えるのでしょうか。

来年の夏の学校はどこでどんな議論をするのでしょうか。そんなことを

考えながら(おいしい出雲そばをいただいた後)島根を後にしました。